杉原理生『恋愛トライアル』 

novel > Rio Sugihara 2000

君に会って 初めて運命を信じられた
すぐに決めたよ 俺は君のものだって

だから待てるよ 俺だけの恋人になってくれるまで
そして俺を 君好みの男に育てておくれ

ねえ 俺がどれくらい君を好きか
ちゃんとわかってる?・・・


「この話はひたすら甘い、砂糖菓子のような世界」
とは杉原さん本人のあとがきコメント。

確かに男前で強引な攻と
誰からも愛される可愛いらしい受。
すなわち王道なんだな!

寮生活、ブラコンの兄、それに加え
絵本やぬいぐるみ、ケーキといったアイテムが
甘いフレーバーになっている、てな具合かな。

攻が年相応より、かなり大人びて感じたし
受はそれほど私的に魅力的ではなかったけど
ふたりのじれったいすれ違いなんかを
丁寧に描写してあって

「ふんわり軽く、なめらかで口当たりの良い」
きちんと砂原さんしている作品。

でもね、運命とかゆーけど
出会ったの17歳と15歳だよ?
こーゆーところも王道なればこそ?(笑)

(⌒-⌒) 隠し玉のひとつ、とうとう読んじゃった(笑) 

杉原理生『37℃』 

novel > Rio Sugihara 2008

野田は10年ぶりなのに 変わってないな
相変わらず難しい奴だよ

学生のころ 結局お前のことが分からなかった
お前が好きにさせてくれたのは カラダだけ
いいや お前が俺を好きなようにしただけかも
それでも 俺を好きになって欲しかったから

俺は今だに、お前に囚われ続けている
世界中でお前程憎くて愛しいやつはいない・・・



この作品は野田の一人称なので
上記は若杉の台詞を拾って想像した
なんちゃってモノローグです(笑)

一人称だと相手の気持ちが直接表現できないとか
場面が限られてきたりと弊害もありますが
特に野田という屈折した人物には最適だったようです。

この場合、若杉の態度や台詞に
作者はなんの解説もつけてくれませんが
そこを想像力で補ったり
都合良く解釈することもまた楽しいものです。

ところが肝心の野田が複雑すぎて、自分でも自分のことがわかってなくて
せっかくの?一人称なのに(笑)充分理解できたとは言えず
でも野田の目に映る若杉の美しさと、彼からのひたむきな愛を
さながら自分が疑似体験した気になって
まっこと美味しゅうございました(^-^)

最後まで気が抜けない展開で
けっこう、というよりガチで暗い今回の作品が
杉原さんの過去いちばん好きになったみたいです。
いつかゆっくり読み返して、ふたりをもっと咀嚼してみたいです。

(*^^*)

杉原理生『サンダイヤル 日時計』 

novel > Rio Sugihara 2004

Wanted List の本が捕獲できました(*^o^*) 
こちら雑誌掲載時は2001年
原型はさらに遡って90年代前半
それだけのことはあります(笑)


宏昭は家族を崩壊させた、ある女とその息子を憎んだ。

女は、そう遠くないうちに父と再婚するだろう。
義弟となる息子は、4歳年下だった。
昔から兄のように俺を慕っていた可愛い佑一。
何も知らずに間抜けで愚かな佑一。

無視できない、忘れたい。
好きなんだ、でも同じくらい憎い。
だから、俺はお前に罰を与えないといけない・・・


主人公は佑一で、一人称です。
臆病なほど優しい彼は、宏昭との歪んだ関係の為
エキセントリックな高校生になってしまいます。
そして晶という同じ歳の少年に恋をしますが
なかなか宏昭の執着から逃れられません。

晶 × 佑一が物語の中心ですが
宏昭 × 佑一としなかったところが
杉原さんの杉原さんたる証し、かもしれません。

あーでも後者も捨て難いんですが〜<(>o<)>
宏昭の衝動を昇華させるはなしも、ぜひ読みたいです。
でも、そしたら水原とほるさんになってまう?

そして佑一という、今にも壊れそうな少年とやらは
昨今のBLではすっかり鳴りを潜めているので(笑)
それがかなり新鮮に感じました。

y(^ー^)y


杉原理生『スローリズム』 

comic > Rio Sugihara 2008

ヘタレ攻、ここに極まれり(>へ<)
褒めてます! 

矢萩(攻)にとって、代わりのきかない絶対的な存在、水森。
水森にとって、どうしても自分の心から追い出せない男、矢萩。


友人であっても、それを継続するには努力が必要です。
社会人になって5年のあいだ、週に2回、電話で互いに近況報告
それってもう、つきあってますから!!(笑)

平行線だった親友同士は12年の歳月を経て
ようやく交じわり、これからずっと重なってゆくでしょう。
BLの原点回帰に触れた気がします。
ものすっごく焦らされますけど(; ̄ゝ ̄)

初めてのふたりの夜なのに
「愛してる」という言葉がしっくりくる
なかなかありませんね。


杉原理生『いとしさを追いかける』 

Rio Sugihara 2007

最近はすっかり、意地悪だったり、強引だったり
時に乱暴なキャラがすっかり認知されて更に支持を得ていますね。

そんな今、杉原さんの作品を読むと
包容力のある優しい男性がまるで天然記念物か人間国宝、は大げさですが
それこそ童話の白馬の王子様のように思えてきます。
そして愛される喜びと幸福感、贅沢な苦痛さえ
しっとりストレートに(←ココ肝心^-^)味わうことができます。

初めて杉原さんの作品を読むつもりでいましたが
実はそうではありませんでした。
雑誌掲載時2002に読んだようです<(; ^ ー^)面目ない。

すぐに思い出した訳ではなく、きっかけはカーテンの件りでした。
このカーテンには主人公の意識が投影されていて
とても上手い小道具になっているのです。

6 : 4で書き下ろしのほうが多いのですが、こちらは
3歩進んだはずなのに2歩下がった後日談です(笑)
脇役のゲイのご近所さんがいい味、というよりスパイスになってます。

初めて恋をした主人公の戸惑いや
過去の経緯を乗り越えるプロセスを書きつつ
王子様はいつだって野獣になりたがってるとゆうことを証明し
ラストでふたりの未来は、希望と幸せの予感で満ちていましたが
今からが美味しい蜜月なのにwww!
と歯噛みしたのは私だけでしょうか(笑)(≧∇≦)ъ very nice!