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砂原糖子『高潔であるということ』 

2010/02/26
Fri. 23:26

高潔であるということ (幻冬舎ルチル文庫)
bl novel > Touko SUNAHARA 2010 / Being noble-minded


幼い頃懐いていた、実家の裏手に住んでいた老人。
彼が無惨な死を迎えてから、密かに復習する機会を待っていた真岸。

そうして五年後、社会人となっていた真岸は
ひき逃げ犯として裁きを受け、既に執行猶予のあけた志田に近づく。
志田は過去を忘れ、順調な仕事と幸せな家庭を築いているはずだった。


ところが志田の生活は、あまりにも慎ましいものだった。
その落ちぶれたとも言える生き様に、志田は目的を見失うが
復讐のモチベイションをキープする為に、真岸はある手段を講じていた。
そうまでしても、なお志田に惹かれて行くのを止められない真岸。

志田の不器用な性格は基からなのだろうが
自分から身を引いたりする行為などの、その自虐的な習慣は
それも事故の前からなのか、あるいは事故を境に己に科しているからなのか。
それがちょっと分かりにくかったかな。

志田の、幸福を追求することなく、利用されても黙って受け入れ
他人を憎まず、己を卑下する。端から見たら愚かに感じても
誰にでもできることではない。それを高潔というのかどうか分からないが
ただ、人を拒絶することと受け入れることは、同じだけ難しい。

真岸に関しては理解し難い面もあったが
志田という生き方には、誰もが敬虔さを感じると思う。


あとはまあ、ちょっと設定が苦しかったのは否めない。
たまたま真岸の仕事が転職までの猶予期間で
たまたま志田の事務所がアルバイトを募集していたなんて。

復讐する気持ちを覚えるほど老人に懐いていたにしては
根拠となるエピソードが弱いし、あとジジイってどうも耳慣れない(笑)
この呼び方って若者なら共感できるのかしらん(^-^;


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