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とうがたった腐女子です

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高遠琉加『甘い運命』 

2010/03/21
Sun. 09:39

甘い運命 (二見書房 シャレード文庫)
bl novel > Ruka TAKATOH 2010 / Le destinee sucré


母親の暴力に耐え続けたイチは
ただ生きるという気力さえ失くしていた。

限界にいた彼に手を差し伸べたのは、高校の元担任である湯原。

「僕なんかと一緒に暮らすつもりですか?」




突然だが、私の近所にとても大人しいレトリバー犬がいた。
私が道を歩いてきても、吠えるどころかジッと伏せて眠ったまま。
立ち止まってジッと見つめると、やっと重たいまぶたを上げるのだが
その黒い穴のような目は、これまで私の知っている犬たちとは違っているのだ。
そう、生きていない。力なく悲哀に満ちたその瞳から、私はすぐに目をそらす。

散歩すらろくにされてないというその犬は
きっとこんなふうに同情に満ちた目で見下ろされるのに慣れているのだ。
立ち上がってしっぽを振って愛想を振りまこうとしない。

どうして私はその犬に近づき、触れてやらなかったのかなあ。
門扉もないガレージで、家人に見咎められる可能性は低かったろうに。
無責任なことはしたくない、そんなのはただの言い訳。

湯原ならきっと躊躇わずに近づいて膝を付き、その鎖から外してやったことだろう。
イチにそうしてやったように。



湯原がイチ対して求めたのは、側にいて欲しいということ。
君にできることを手伝って欲しい。僕たちを助けてくれないか?と。

湯原は、まだ乳児の姪 海の世話に追われ、自身も限界に近かった。
自分と一緒に住む理由をこじつけたのも当然あるが
僕でも役に立てるかもしれないなら、まだ生きていてもいい、そう思わせた。
彼は求められることに飢えていたから。ずっと寂しかったから。

母親の歪んだ愛のせいで、イチは自分に価値が見出せなかった。
イチは海に信頼され愛されて、初めて自分を愛することができたと思う。
そうして初めて自分と違う誰かを愛することができるようになったのだろう。
それが湯原だったとしても。


実は、海が成長したことで、物語の9割くらい終わった気になったんだなあ(笑)
海を育てることで、イチもまた本来の生命力を取り戻し、心も自立していく。
そんな作品として既に完成度が高いと思ったから、BLな部分はオマケみたいな(^-^;A

長く暮らした恋人達の多くは次第に家族へと移行していくものだが
逆はこれまた難しいものよね、きっと現実でも・・・

家族同然に暮らしてきた彼が今さら・・・という、湯原視点でかなり同情したし(笑)
そこは作家としてかなり苦労しただろうなと伺えるが、さすがに上手くまとめたと思う。
湯原の下戸は、そこの伏線だったのね?(爆)

だけどBLにはそもそも傷ついた心を癒す、というヒーリング的なものが根底にある
少なくとも私にとってはずっとそうだったので、この流れもまた最後には納得できるのだった。


小冊子はATMで580円! そういえばシェフはイチャイチャが足りなかったから楽しみ(笑) 


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