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砂原糖子『言ノ葉ノ世界』 

2010/06/30
Wed. 21:59

bl novel > Touko SUNAHARA 2010 / koto no ha no sekai


言ノ葉ノ世界 (新書館ディアプラス文庫 240)言ノ葉ノ世界 (新書館ディアプラス文庫 240)
(2010/06/10) 砂原糖子
物心ついた時から、それは始まっていた。
他人の心が流れ込んでくるという現象。
その所為で家庭でも学校でも孤立してきた仮原は
開き直り、利用する事を覚え、荒んだ大人になっていった。
しかし、藤野という男と出会った事で仮原は・・・




仮原は、他人の内なる声が聞こえる。
一見SF的な超常現象だが、それを人類の退化と仮定する説は面白かった。

確かにコントロールできないばかりでは社会に適応できず
淘汰されてもおかしくない。仮原はそれに抗わず
上昇志向も仕事も持たず、自らを貶めるような日々。

事故がきっかけで出会った藤野は、仮原が初めて出会った人類だった。
言葉と思考が一致する、希有な人間だったからだ。

それは純粋というべきか、知的水準に満たない男と想像しがちだが
実際は大学の准教授であったし
確かにいい人過ぎる程お人好し故に、一部の人間からは反感も買うが
他人とコミュニケーションがとれないワケでもない。

仮原については実際に有り得る能力なのか分からないにも関わらず
素直に共感してしまった一方で、藤野についてはほとんど
その特性について説明がなかったのが気になったが
それって私だけなのか。


人は裏とか表とかじゃなく、自覚のないままに
その場に最もふさわしくあって欲しい言葉を選んでいると思う。
今までの経験とか相手への感情とか私利私欲とか
複雑な思考をするように幼い頃から学習してきたのだ。

つまりそれが悪い事のような前提だが(仮原視点だからね)
本来、思ったままを口にしないように生きている、と思うのだ。

だから本当は仮原が普段聞いているのは、二重音声以上かもしれないが
藤野だけは、言葉に出している以上の思考が聞こえないという。

つまり、藤野だってある意味、その希少価値からいうと
ひとつの特殊能力の持ち主とゆっても良いのではないか。

しかも、仮原の秘密を知ってなお、許容してしまえる器というか。
藤野には後ろめたさやコンプレックスとかないのか?
ゲイであることを覗いて?

それはそれでいい。ただその理由が欲しかったなあと、ね。
例えば特殊な家庭環境に育ったとか、いっそすごくIQが高いとか。
だが今回の焦点は主人公である仮原だから、仕方ないのかな。

結局、仮原と藤野も気持ちが通じ合った時点で
その関係も仮原の事情のせいで、決して順調とはいかなくなる。

問題はむしろ仮原にあったワケだし
仮原がいかに他人を受け入れることが苦しいのか
信じるということの難しさ、言葉の尊さを知り
それをきっかけに人生を取り戻そうとする姿を描いている。

しかし、それって例え普通の私たちであっても
身につまされる話には違いないよね(^-^;


そして、もうひとりのキィパーソン 占い師
彼との関係のほうが、私的にはもっと興味深かった。
当事者間では分かりにくい仮原の変化が、客観的に分かりやすかったし
占い師の過去も想像力を掻き立てられた。


実際にこの作品を読むのに
藤野に対するこだわりなぞ、必要がないのは分かってるけど
ただその昔SF流行ったからねえ(笑)
筒井康隆さんとか、佐々木淳子さんの「那由他」とかさ。

こんな勘違いな内容で、アツ苦しく語ってしまい、ご勘弁を m(_ _)m

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